❅·̩͙18 ページ18
『なんで1限居なかったの』
意外。ふっかみたいにその気になれば行くぐらいの
タイプな気がしてたのに、ちゃんと1限から来てるんだ。
「佐久間送ってたら遅れた」
『はっ?…あ、そういやあいつ帰ってきてなかった』
岩「BEASTだったか、昨日」
阿「送ったって?Aちゃん佐久間おんぶしたの?」
「なわけ。幸い車の免許がありますので」
ぶーん、とハンドルを握るマネ。
目をまん丸にする3人。
なんだ、車は18になったら取れるんだぞ。
17から車校行けるんだぞ。
16でバイク取るのと変わんないだろ。
『まじ…?車で送ったの?』
「そーだよ。そのまま白雪置いてきたから放課後取りに行く」
岩「車種何?ラパンとか?」
「お楽しみに」
誰も当てられないだろうな。
教習車以外に乗る初めての車がランボルギーニとは
私も思わなかったから。
休み時間終了のチャイムが鳴る。
お構い無しに話し続けようとする渡辺たちを剥がして席へ戻った。
・
・
・
靴箱になだれ込む人、人、人。
昨日同様女が多い。
押すな、騒ぐな、走るな。
あーほら人の靴をそうやって蹴る。
足元見ろよ、置いてんのよこっちは。
どこいったか分からなくなったじゃん。
「あー…ローファーどこいった」
『おいシンデレラ』
きゃ、と短くこちらにも悲鳴…ではなく歓声が起こる。
白雪ってアイドルかなんかなの?
もっと怖がられるべき存在だよね。
2年の靴箱に集中していた人が
割とこっちにも分散してきちゃったけど。
私の前には、私の右ローファーを持つ渡辺。
結構飛ばされてた。
「ありがと王子。履かせて」
『喜んで』
「喜ぶな」
岩「ねぇ漫才しないで笑」
まるきり冗談だったのに、渡辺は跪いて
まるで本当の王子のようにローファーを履かせてくれた。
ニヤニヤしている。
なんか嫌だ。
あとめっちゃ見られてる。
渡辺たちも白雪に帰るんだろうか。
だとしたらとっととここからおさらばしたい。
「白雪帰る?」
『おう。だから待ってた』
なるほどねえ。
車が見たいってか。
こんな状況の中一緒に帰るのは気が引けるが
ここにいるのにわざわざ別行動をとるのもめんどくさい。
私たちは芸能人じゃないし、堂々といこう。
前に岩本と阿部、
後ろに私と渡辺が並んだ。
驚きの声を浴び、そこらのヒソヒソ話も聞きながら
大きな背中の後をついていく。
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hrr - おもしろくて一気読みしました!続き楽しみにしています! (4月10日 14時) (レス) id: 5934ce0412 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カジャ | 作成日時:2024年3月20日 19時