5にん 22

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風磨side

朝から大変よ？採血されて血圧測ったり、検査地獄。いっつもマリ達のこと泣かせながら座薬入れてるけど、俺、ひっさしぶりに入れられて今度からもっと優しくしてやろって思ったもん…

それでひと段落ついた夕方、勝利が来てくれた。
「風磨くん、これ。着替えの服と、お菓子とあとこれ俺が作ったの。唐揚げと〜」
なんか大量に色々持って来たんだけど。嬉しいけどね？

「ありがとありがと。勝利」
「寂しくて泣かなかった？」
ここで俺、返事間違えたんだよなぁ…
「泣かなかったけど寂しかったよ。みんな帰っちゃったなぁって」

柄にもなく言っちゃったら、勝利が顔色変えて、絶対10時までいてあげるからね！！って言い張りだした。いや、門限までに帰らないと怒られるぞって言っても、絶対いる！って。

しかもね…
「ふーまくんここかなぁ？」
「あっここだっ」
聞き覚えしかない声が聞こえて、2人の顔が見えたと思った瞬間、勝利がバーってドアのとこ走って行ったの。

「ダメ！！なんで来てんの！ダメ！！2人が悪いんでしょ？！」
「…ごめんなさい」
「風磨くんに近づかないで！バカ！！帰ってよ！」
「っ…ねぇ勝利、ごめんなさいってば！」

「コラ勝利、迷惑だからドアの前でやんのやめなさい」
ガルルルルって聞こえそうな顔で2人のこと睨みつけてるわ。どーしたもんかな。
「兄貴に電話するよ？勝利が病院で迷惑かけてるって」
「ぇっ…ダメ」

「どうすんの。聡とマリのこと入れてあげたら兄貴に交渉してあげる。10時までいれるように。どう？」
「…んっ2人とも！入って良いけどあの椅子より近く行かないで！わかった？！」
お前はなんなんだよ。番犬か？

でも2人ともコクコク頷いてるっぽい。勝利の後について入ってきた。
「ごめんなさい…ふーまくん」
「ふぇっ…ふーまくん〜怖かったぁ！」
「ダメ！マリっ！近づかないでって言ったじゃん！」

良いよ別にって言ってあげたいけど、勝利の気持ちのほうが大事かな…。2人は悪さしてる訳だし。聡もマリも落ち込んだ顔でちょっと離れたとこから俺のこと見てる。

「2人とも俺は大丈夫だよ。でもやったことはめちゃくちゃ悪い。兄貴に怒られなさい」
「…怒ってもらえないの。無視されるっ」
「は？」
「ふーまくん退院するまでっ返事もしないし…ひっ！抱っこもっ…ぐすんっしないって…」

話してて辛くなったのか泣き出しちゃった。マリも聡につられて泣いちゃうし。これは、兄貴に話してあげよ。

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