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TETSUYAオフィス
「はぁ…」
さっきからため息ばかり。
「やっぱ最終回キツかったよねー。うん、あれはキツイわ」
「水族館のがやっと受け入れられるようになって来たのに…」
グチりつつ、缶チューハイをひと口。
「つかさぁ、お前らウチを居酒屋代わりに使うのやめてほしいねんけど」
*Aと佐久間が『語り部屋』と題してTETSUYAのオフィス一角を使用させてもらってる
「でも、健ちゃんカッコよかったな…。朝子さんは可愛かったし」
「健ちゃんカッコよかったよね。あれは向井康二じゃなくて完全に"健ちゃん"に入り込んでたもんなぁ」
「うん…康二くんて本当に凄いって思う。私がこんな所で拗らせてる場合じゃないんだけど」
「いやいやいや…推しのラブシーンって絶対キツいから!よし、Aちゃんが元気出るように俺が!」
そう言って勢いよく立ち上がる。
「ここで踊ったらあかん!」
止められた。
ーーーーー
ほろ酔い気分のA。
「康二くんの好きなところは…」
語りはじめます__
「カッコいい。とにかく何もかもカッコいいの。康二くんのダンスが好き。声が好き。#Photo Boyな所も#コージネートも、ソロキャンプ。スノボ上手いのも。ゴツゴツした男らしい手とか、面白い所。関西弁なのも、甘えん坊な所も。内股気味な所。周りに気を遣える優しい性格も。寂しがり屋で泣き虫。料理上手。康二ママと仲良し。人一倍努力家で…。キスが上手い…まだまだいっぱいある康二くんの好きな所…」
「ウホッ、語るねー」
佐久間も嬉しそう。
「でも、1番好きな所は私のコーディネートで幸せそうに笑ってくれた時かな…」
伏目がちで優しく微笑むA。
「ふーん…なんかいいねー。康二、めっちゃ愛されてんじゃん」
「こんなとこでメンタルやられてる場合じゃないんだよね…もっともっと頑張って一流スタイリストなって康二くんの専属スタイリストにならなきゃなのに」
「熱いなぁー」
熱く語るAにちょっぴりセンチメンタル気分になってしまう佐久間くんだった。
「でもさ…こないだ康二くんと気まずくなってから会ってなくて…。忙しそうだから連絡も取ってないし」
「じゃあ今から連絡しちゃえば?」
佐久間がスマホで何か確認してる。
「うん、今日の康二は夜は予定(仕事の)入ってないよ」
連絡しちゃえ、と佐久間がすすめるから電話をかける事にした。
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作者名:ミズ | 作成日時:2024年3月24日 19時