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.亮平side
1軒目の居酒屋で生ビールを注文したA
俺のリサーチだと飲めなかったはずなのに
飲めるようになったのだろうか。
『りょーへーはぁ、なあんでわたしとおなじぃ
大学に進んだのお〜?』
案の定出来上がってしまっていた。
ベロベロになったAを見るのは初めてで
滅多にない経験だと思った。
スっと音の無いカメラアプリを使ってAを撮ると
『かわいくとれたあ?』なんて聞くから、
可愛く撮れたよ〜と軽く受け流す。
当本人がいなければすぐにでも写真として焼いて飾っておくのだが…もしAが飲んでる時の記憶があるのなら全てが水の泡になってしまう。
亮平「もう飲みすぎ。…ごめん佐久間。お冷貰ってもいい?」
大介「りょーかぁい。すみませーん!お冷くださーい!」
こういう時に佐久間がいると楽だ。
もし佐久間が僕の知らない人なら好きな人のこんな可愛い姿見せられないし、早々に帰って介抱していただろう。
お冷を少し飲んで安心したのかすやすやと僕の膝で寝るこの人はどんだけ無防備なんだろう。
身近にこんなにも好いている人がいると言うのに
易々とその人の膝を借りて寝るとかどうかしてる。
まぁでも、寝顔が可愛いから3、4枚写真を撮って佐久間と話した。
そろそろお開きという頃にはAは眠りが深くなって俺の腰に手を回していた。
いやもうほんとに。頑張ってる俺を褒めて欲しいくらい。
仕方がないから、Aを送り届けようとおんぶをする
大介「にゃは〜。しっかし阿部ちゃんがこの子にアプローチしないとはね〜」
亮平「Aはアプローチしたって俺の事なんて幼なじみとしか思ってないよ。」
大介「でもあるくない〜?幼なじみが初恋パターン!」
亮平「そうだといいんだけどねぇ。これまでAは数人の男と付き合ってたから、もしかしたらその初恋なんてとうに忘れてると思うけどね」
大介「そうかなあ…?あ!俺こっちだから!またね!」
亮平「あ、うん。また。気をつけてね」
そう。告白できるならとっくにしてる。
どの女子で経験を積んだとてAへの傷をほかの女子で埋めようとしたとて全部失敗した。
思ったより俺はAにズブズブみたい…
『りょーへー…』
亮平「なーに。」
頑張って頑張って最終手段に出た吊り橋効果作戦。
上手くいくのかは半々だけどもしこれで上手くいったのなら、
Aは俺の傍から離れないでいてくれるのだろうか。
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作者名:蒼空 | 作成日時:2024年3月10日 17時